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墨壷を備えた江戸~明治時代の携帯用筆入れである矢立(やたて)です。素材は銅合金(黄銅など)だと思いますが、銅色は表面処理が施されたものかも分かりません。
墨壷の蓋には、目立つ緑と黄で5弁の花の絵図が。色を別にすれば家紋のようです。彫刻細工のある矢立は多く見られますが、絵図のあるものは非常に珍しいのでは。所持していた人物が自ら描いたものか、絵師に描かせたものか転写かなどは分かりません。
絵図(家紋)について調べてみました。
多くの花は五弁ですが、吉祥の植物として古来重用されてきた梅を写実的にかたどった「梅紋(梅鉢紋)」ではないかと、しかし、「五瓜に唐花紋(ごかにからはなもん)」により似ているようです。これは5弁の「唐花」を描き、その周りを「五瓜」で囲ったものですが、以下の①~③は調べた内容の超大雑把な説明です。参考になれば。
①「唐花」は大陸伝来の古い文様でモチーフとなる植物は実在しない /
②「瓜(うり)」の音読みは「カ」で、「五瓜」は「木瓜(きうり・きゅうり・もっこう)」の断面を図案化したとの説も、「胡瓜(きゅうり)」の漢字表記が定着するまでは「木瓜」が使われていた/
③「五瓜に唐花」は織田(信長)氏の家紋「織田木瓜(おだもっこう)」としてもよく知られている(詳細は調べていただければ幸です)/
装飾は「五瓜に唐花紋」のみですが、全体に丸みのある矢立です。画像写真でご覧いただけるように、筆筒は1穴で、墨壺と筆筒の間には根付け吊り下げ穴が。墨壷の蓋の開閉は多少ガタツキはありますが、開閉部は軸も含めしっかりとしています。
アンティーク品であり、汚れ、墨汚れ、細かなキズ、銅合金の下地色の露出、蓋絵の色褪せなどは否めませんが、凹みや変形などはほぼありません。なお、筆筒と墨壷などの接合部に製作時のザラが若干残っています。
長さや重さはおよそ次の通りです。
全長18㌢、筆筒部は長さ15.3㌢、楕円断面で長手1.4㌢、短手1㌢、墨壷は外径3.7㌢で蓋開時の厚み1.5㌢、重さは160gです。
凝った造りではなく、経年や使用による汚れやキズなどは否めませんが、墨壷の蓋に「五瓜に唐花紋」と思われる絵図のある珍しい矢立です。使用されていた時期や、蓋の絵図が描かれた経緯などの詳細などは分かりませんが、日本の文化遺産の一つとしてアンティークコレクションに加えていただければ幸です。
カテゴリーホビー・楽器・アート > 美術品・アンティーク・コレクション > 工芸品 > 金属工芸商品の状態やや傷や汚れあり発送元の地域京都府






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